新築・インタビュー

「白×マットブラック×木」の心地いい家

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[家族構成]
30代夫婦、女の子(1歳)

[おうち情報]
木造2建て
敷地面積126.38㎡(38.23坪)
延床面積113.18㎡(34.24坪)
住宅街(住宅密集地)

岩村建設担当:藤森

東京でご結婚後、ご主人の故郷である信州に移住されたお二人は、かつてお祖父様が建てた家に住むことになりました。最初から建て替えを考えられていたそうですが、工事は一筋縄では行かなかったそうです。
ちなみに、インタビューに伺った日のお二人のファッションは、ご主人は白シャツ&ジーンズ、奥様はボーダーTシャツにチノスカート。定番中の定番とも言えるアイテムですが、この日のコーディネートからわかるように、どうやらお二人は、自分たちの「好き」を探して、それが自分たちに「似合う」のかを見極めるのがお上手なよう。
家づくりにつきものである様々な難題をクリアした、ご夫婦の「好き」があふれた空間にお邪魔してきました。

インタビュー・撮影:RSH編集部

祖父の残した土地に住む

ご主人
「長野に戻ってきて、祖父が建てた家に住み始めました。築50年は経っていたと思います。家が密集している昔からの町並みの中にあるので暗く、そして寒かったです。」

奥様
「寒かったですね…。冬、暖かいのは暖房のある居間とキッチンだけ。居間を出てトイレやお風呂に行くのが辛かったです。キッチンと居間が別々という間取りもたいへんでした。子どもはハイハイするまえの赤ちゃんでしたが、子どもを居間において台所仕事をするのは落ち着かなかったです。」

ご主人
「祖父の家に住みはじめた直後から。建て替えることは考えていたので、いろいろ調べ始めました。金融機関に住宅ローンについて調べに行ったときに岩村建築さんのチラシがあり、見学会にでかけました。そこで藤森さんにお会いしたんですよね。」

岩村建設 藤森さん
「世間話をしていたら、ご主人のお祖父さんが私の小学校時代の恩師だとわかって、驚きましたよね(笑)。」

ご主人
「すぐにそれで岩村建設に決めたわけではなく(笑)、建築士とマッチングするサービスの会社に問い合わせたり、大手ハウスメーカーのモデルハウスも見に行ったりもしたんです。
でもモデルハウスは大きすぎて現実感がありませんでした。だから、さらっとしか見ていません。建築士マッチングサービスのほうは、もう少しお話を聞いています。でも“建築士と実際に会う機会は2,3回”と聞いて、“自分たちはもうちょっと家づくりに積極的に関わりたい”と思いました。建築士はプロの方ですから、結果としていいものができると思うし、そういうサービスが合っている方もいると思います。」

ご主人
「主体的に家づくりを進めていけるような専門的な知識も藤森さんに教えてもらいました。同時にまだ他社でも話を聞いていましたが、家の性能などを理解する知識もついてきて比べてみると、断熱性や設備も岩村建設のほうが良かったんです。費用対効果も高かったですし。」

旧市街地ならではの難問

落ち着いた街並みに溶け込むご夫婦の家ですが、こういった古くからの住宅街は道が狭いため重機が入れない、隣家が近すぎるなどの理由で、建て替えを諦めてしまう場合もあると聞きます。その点はスムーズだったのでしょうか?

岩村建設 藤森さん
「確かに入れない重機もありましたね。棟上げをするときは大きいクレーンを使うのですが、道が細くて入れないので、わずかに土地が接している近隣の駐車場からクレーンを伸ばさせてもらいました。すぐ近くに家屋もあるので棟上げの日はかなり緊張しましたね。」

家を建てるということは、その土地に根を下ろすということ。住む人がコミュニティの中で気持ちよく暮らし続けるように、ひとつひとつの仕事を誠実にしていくことも、工務店の大切な資質なのかもしれません。

暖かさと自然光

奥様
「リクエストしたのは暖かくて明るい家。でも、建物に囲まれているので窓はあまり作れません。自然光を採り入れるには、高窓で採光して吹き抜けで下まで届けるんだろうなあ…と想像していました。でも、デザインとしては素敵だし憧れますが、実際には生活音が気にならないだろうかと心配もしていました。提案していただいたのは、やはり高窓と吹き抜けのプラン。でも心配していたようなことは全然ないです。子どもが2階で寝ていても気にせず台所仕事ができますし、夜遅く帰宅した夫が1階でいろいろしていても、2階では気になりません。採光と音の問題は、吹き抜けの大きさや間取りの工夫で、いいあんばいに両立してもらいました。」

家事のまわしかた

ご主人
「妻は引越し後、仕事を再スタートし、共働き生活が始まったんです。食器洗いは自分の担当です。洗濯は夜なので、最後に入浴する自分が洗濯機を回して、干すところは妻がしてくれます。」

奥様
「引っ越してきてから室内干ししかしていません(笑)。一応、外にも干せるようにしているんですが、冬は乾かないし、春は花粉が気になるので。外に干したことがないかも(笑)。シーツのような大物も2階の吹き抜けに面した柵に干しています。しっかり乾くけど、湿気が気になることも無いです。」

「白、アイアンやマットな黒、木の組み合わせが好き」

さっそく、家の中をご案内いただきました。おしゃれなお二人の家に期待が高まります。

【玄関】

「玄関は広めにしたいとお願いしました。」
ミニマルな外観から玄関扉を開けると、たたきのヘキサゴンタイルに意表をつかれます。岩村建設では通常30cm角の四角いタイルを勧めているそうですが、お二人から「ヘキサゴンタイルを使いたい」とリクエストがあったので藤森さんが探したのだそう。シンプルなベースに大胆なスパイスを効かせる、お二人のセンスを象徴するようなデザインです。

また、土間収納は作らない分、クロークはたっぷりと。たたきの部分は床から浮いているので、壁一面の収納でも軽やかな印象になりました。

【リビング 壁掛けTV&書庫】

リビングのテレビは壁掛け式で、テレビの下にはAV機器がスリットに収められています。この壁の裏は大容量の書庫になっていました。どちらもご主人のリクエストによるものだそうです。雑多になりがちなテレビ周りがすっきりすると、リビングの雰囲気も整いますね。

【キッチン】

背面のカップボードは家具工房にオーダーしたそう。カップボードと横並びに置いたカウンターデスク、ダイニングテーブルもお揃いです。

ご主人
「ネットで探した工房にお願いしました。そして、実家の父がDIY好きでいろいろ作ってくれるんです。たとえばこのベンチも。」

見せていただいたのは、カウンターデスクとおそろいのベンチ。家具工房製と見まがうほどの出来ばえに驚きました。
カップボードの上には、炊飯器や電気ポットなどの調理家電が。こちらもお二人の好みの色とデザインなので、メーカーが違っていても調和が取れています。

【パントリー】

奥様
「パントリーには、こまごまとした日用品も収納しています。収納用品を統一していますが、ラベリングして中身がわかるように。夫はもっと細かく几帳面にわけたいらしいんですが(笑)、私はこのぐらいで。」

ついつい「お母さんに聞かないとわからない」になりがちな日用品を、家族の「公共物」にすると、家も気持ちもすっきりしますね。

【ダイニング】

キッチンの並びには家具工房にオーダーしたダイニングテーブル。椅子はばらばらなのですが、これも不思議と全てがぴったりとコーディネートされているよう。また、キッチンカウンターにつけたスイッチプレートやコンセントは、テーブルをつけるとちょうどいい高さにつけられています。
「パソコンやスマホの電源をとるのに便利です」
スイッチやコンセントのプレートも、お二人好みのマットなグレーが選ばれていました。
また、ダイニングテーブル上の照明は、奥様が「ずっとつけたかった」というペンダントライト。心の中にストックしていた「好きなもの」が、家のあちこちに散りばめられています。

【洗面脱衣所】

奥様「洗面台はモルタルで造作したいなと思っていたんですが、シンプルなものが見つかったので、それを使いました。」
モルタル風のクッションフロアにタイル模様の壁紙で、シンプルなだけではない空間です。また、キッチン奥のパントリーともつながっていて消耗品の出し入れなどにも便利な動線になっていますね。

【階段&階段ホール】

階段の手すりや柵はどちらもアイアン。白と木の空間が、この黒でぐっと引き締まります。室内干し用のポールもアイアンで、洗濯ピンチなどはステンレスで統一されていていました。家事は毎日するものだからこそ、気分を上げるものを使いたいですよね。

【寝室】

ブルー・グレーの壁紙や照明使いが落ち着いた印象の寝室。窓はプライバシーに配慮して配置されています。WICには、木製の棚がありましたが、こちらもお父様作とのことでした。

【外壁】

塗り壁で仕上げられた外壁も黒。表情豊かな塗り壁は、黒の持つ冷たさを打ち消してスタイリッシュな印象を残します。ご主人は元々ガルバリウム仕上げを考えていたそうですが、「暖かさを求めるなら断熱性能がある塗り壁もいいですよ。」と藤森さんが薦めたのだそう。黒はお二人の希望の色でしたが、ひとことで黒といっても様々な黒があり、面積が広い外壁は実際仕上げてみると小さな見本と印象が違うこともよくあるそうです。そこでお二人は町中にある建物の中から最も意中の色に近い外壁を探し、藤森さんがそれを参考にお二人好みの「黒」を実現させました。

家を建てるということ

「家づくりは、調べること、決めることが多くて、途中から”なんでもよく”なっちゃう」と、家づくりを経験した人からよく聞きます。家を作るということは、衣類や雑貨を簡単に買うこととは金額も労力も違います。好きなテイストで全体のコーディネートを考えるのも難しい。

今回取材に伺ったお宅は、「自分たちの好きなもの」で貫かれた統一感ある空間でした。それでもリラックスした空気が流れるのは、きっと自分たちに似合うものを選んでいるから。またお伺いしてもっとインテリアの話をお聞きしてみたい…。思わずそう思ってしまう素敵なお家でした。

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