• 家づくりについて
Posted. 2025.05.14

住宅の本当の寿命とは?耐用年数と耐久年数の違い

耐用年数とは

耐用年数という言葉をご存知でしょうか?
一般的には、経理部門が資産計上する際に必要な減価償却の期間を表す言葉です。
今回は、「住宅がいつまで実用的に使えるのか」というお話をさせていただきたいと思います。

耐久年数と耐用年数の明確な違い

どんなモノでも、いつかは必ず劣化し、壊れます。
物理的に破損するまでの期間がどれくらいかを表す言葉が「耐久年数」です。
例えば住宅の駆体であれば概ね50~100年、エアコンだったら10~20年など、保証期間とは別に一般的に使用可能と考えられる期間を指します。

これに対して、「耐用年数」とは“物理的には壊れていないけれども役に立たない”という状態になるまでの年数と定義できます。
これは私なりの解釈ですが、住宅選びや長期的な住環境計画を考える上で非常に重要な概念です。
その上で、「耐用年数」について考えてみたいと思います。

住宅の寿命はどこで決まる?

住宅の寿命は、単に物理的な破損だけで決まるわけではありません。よく考えてみると、物理的には問題なくても使わなくなるものが日常生活には多くあります。

例えばサイズの合わなくなった、あるいはデザイン的に着なくなった洋服。
破れて使えなくなったわけではなくても、タンスの奥に眠っている服が誰でも何着かはあるでしょう。これらは「耐用年数を過ぎてしまった」と言えます。

実は、このように「壊れてはいないけれど実用性を失った」建物が世の中には数多く存在します。
つまり住宅の真の寿命は、「耐久性」だけでなく「耐用性」によっても大きく左右されるのです。

住宅における耐用年数の具体例

住宅の場合、どのような要因で耐用年数が尽きるのか考えてみましょう。主な要因として「省エネ性能」「耐震性能」「間取り」などが挙げられます。

省エネ住宅の陳腐化

古い住宅は断熱材が不十分で、冬は寒く光熱費もかさみます。このような場合、リフォーム工事か建て替えを検討することになるでしょう。

耐震性能の不足

建築基準法の改正により、現行の耐震基準を満たさない住宅は、耐震補強か建て替えが必要になる場合があります。

間取りの不適合

年月が経ち家族構成や生活様式が変わったとき、増改築なしでは快適に住めなくなることもあります。

これらはすべて”壊れていないけど役に立たない”典型的な例です。
このように住宅にも耐用年数が存在し、それを超えると現状のままでは快適に使用できないことがあります。

理想的な住宅づくり:耐久年数まで使い切るために

上記のように、耐久年数が来る前に「耐用年数」の限界によって使えなくなることは、今後も起こりえるでしょう。
しかし、大切な資産である住宅を、その物理的寿命まで十分に活用できないのは非常にもったいないことではないでしょうか。
最後まで使い切ることが、コスト的にも社会的にも意義のあることだと思っています。物理的耐久性と実用的価値の両方を長期間維持できる住宅づくりを目指しています。
簡単では無いかもしれませんが、普遍性や可変性、メンテナンス性といったことにも着目し、お客様の大切な住まいが長く愛され使い続けられるよう、私たちは日々研鑽を重ねてまいります。

岩村建設の家づくりで大切にしていること

普遍性:時代や流行に左右されにくいデザインと構造
可変性:将来のライフスタイル変化に対応できる柔軟な設計
メンテナンス性:長期的な保守管理がしやすい構造と素材選定

LDK

まとめ:長く住み続けられる家づくりのために

耐用年数と耐久年数の違いを理解し、将来の変化にも対応できる住宅づくりを心がけることが、真に価値ある住まいを実現する鍵となります。岩村建設では、お客様のライフスタイルや将来の変化も見据えた、長期的視点での家づくりをご提案しております。

住宅に関するご相談やお悩みがございましたら、いつでもお気軽に岩村建設までお問い合わせください。