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ワクワクする家をつくる、デザインの話。vol.4「テクスチャ」

テクスチャ(質感)とは?建築における意味と重要性
テクスチャとは、建築用語で床や壁など、表面の質感、素材感のことをいいます。
私がデザインを考えるときに、「空間の次に大切にしているのはテクスチャ」と言っても過言ではありません。
Vol.1でお話した”空間”は間取りと似た工程なので、多くの方が関心をお持ちだと思います。
一方、テクスチャは感性によるところが大きいため、間取りほど注目されないこともあるかもしれません。
でも実は、壁や床の表面は毎日見て触れるものなので、建物の外観や室内の印象に大きな影響を与え、そこに暮らす方の満足感にもつながると考えています。
ここでは、テクスチャについて少し詳しくお話ししてみたいと思います。
素材本来の質感を活かすテクスチャデザイン
例えば、木には木の、石には石の質感があります。
硬さや柔らかさ、暖かさ、冷たさなどは、それぞれの素材ならではの魅力で、見るだけで伝わってきます。
また木目の模様や石の色ムラ、光沢なども質感を伝える大事な要素です。
こういった質感を仕上げ材としてそのまま活用することで、素材本来の魅力を引き出すことができます。


木・石・コンクリート|自然素材の建材とその魅力
昔からある建材としては、石、木、コンクリート、土(塗り壁)、焼き物(タイル、レンガ等)と言ったものがあります。
これらの多くは、印刷技術が発達する前からあるので、素材の表面をそのまま仕上げ材として使われてきました。
一部例外として、焼き物は表面に釉薬を塗ることで表面と内部で色や質感が変わったり、木は保護を兼ねて塗装をすることで表情を変えることもあります。
ただそれらも、素材にあった方法で塗るので、素材表面の魅力を失わないようなテクスチャになっていると思います。
こうした昔からある建材の多くは、仕上げ材としての素材の魅力が広く知られているため、素材の質感を大切に使用されているのをよく見かけます。


壁紙・床材シートなど印刷建材の特徴とメリット
戦後から、印刷されたシートを使った建材が商品化され、広く使われるようになりました。
壁紙や床材の印刷がその代表例です。
塗り壁調の壁紙や石目調の壁紙、木目調のシートを合板に貼った床材は、コスト面とメンテナンスのしやすさから、多くの建築で活用されています。
これらは手軽にイメージに合ったインテリアを作ることができる便利な建材です。

経年変化を楽しむ|素材そのものを活かすデザイン
個人的には、素材そのものの魅力を活かすことが好きです。
今どきの建材であってもそれは同じです。
例えば、合板をそのまま見せることで、合板の持つ素材の良さを引き出すこともできます。
実際に最近は、ミルフィーユ状になっている合板の断面を見せた棚(「意匠合板」「断面見せ合板」「層構造合板/積層合板」と呼ばれています)なども人気が出てきています。
インテリアを彩る雑貨であっても、樹脂でできたマットホワイト色の収納ケースは、陶器とは違う優しい質感に魅力を感じます。
素材そのものは時を経ても魅力が変わりません。
木は何年経っても木の温もりがあり、コンクリートは何年経ってもコンクリートの表情があります。
経年変化とともに味わいが増していくのも、素材本来の魅力だと思います。

▼「意匠合板」参考画像


長く愛される家づくりのための素材選び
今、世の中には様々な建材があふれています。
岩村建設では、長く住み続けて「よかったね」と言っていただけるような家づくりを心がけています。
それは性能だけでなくデザインにおいても同様です。
そのために、素材を活かすテクスチャを大切にして、モデルハウスなどでご提案をしていきたいと思います。
今回は、個人的な考えを書かせていただきました。
こんな考え方もあるんだな、という気持ちで気軽に読んでいただければ嬉しいです。