- 家づくりについて
ワクワクする家をつくる、デザインの話。 vol.5「収まり」

収まりとは
建築の世界では「収まり」という言葉がよく使われます。
「収まり」とは、建材同士の接合部分や取り合い部分の納め方、つまり「細部の作り方」のことです。
この収まりの違いで、空間の印象は大きく変わります。
キッチンカウンターの収まり
カウンター勝ちとパネル勝ち
・カウンター勝ち:カウンターを優先して、パネルの上にカウンターを乗せる方法
・パネル勝ち:パネルを優先して、カウンターの端をパネルで覆う方法
キッチンを例に見てみましょう。サイドパネルとカウンターがつながる角の部分には、2つの納め方があります。
最近はカウンター勝ちが主流
現在はカウンター勝ちで収めることが主流になっています。その理由は、
・スッキリした印象を与える
・カウンターが広く見える
・結果として空間全体が広く感じられる
一方、昔主流だったパネル勝ちには「水が床に流れ落ちにくい」という実用面でのメリットがありました。しかし、近年は機能性よりも見た目の美しさを重視する傾向が強くなっています。
一見些細な違いに思えるかもしれませんが、空間の印象を左右する重要なポイントです。

カウンター勝ちの収まり

サイドパネル勝ちの収まり
窓枠の収まり
メーカー既製品の窓枠
窓を囲む枠にも違いがあります。
LIXILやYKK AP、また永大産業などの建材メーカーが提供する窓枠のコーナー部分は、よく見るとタテ方向を優先しています。「タテ勝ちの収まり」の窓枠ということです。
また、タテ枠とヨコ枠で奥行きに差をつけ、タテ枠のほうが少し手前に出るようになっています。
この段差のことを「チリ」といいます。
チリは窓枠に限らずホームセンターなどで売っている棚などでもよく見られる仕上げ方です。
大工造作の窓枠
それに対して、大工さんが木材から窓枠をつくる場合、「トメ」という方法を採用することがあります。
これはタテとヨコをぴったり合わせ方法で、チリのないフラットな収まりになります。
どちらがいいということではないですが、求めるデザインや予算によって選択します。

タテ勝ちでチリがある、メーカーの窓枠

トメ収まりでチリがない、造作の窓枠
収まりでデザインの印象が変わる
収まり一つで、空間のデザインは大きく変化します。
スッキリさせたい場合
チリをなくしたり、段差を減らすことで、洗練された印象に。
存在感を出したい場合
あえて段差を設けることで、装飾的な雰囲気を演出できます。
例えば、屋根の厚み部分(破風)も、段差のあるなしで印象が変わります。

段差のないシンプルな破風の収まり

段差を設けた破風の収まり
まとめ:細部へのこだわりが魅力的なデザインを生む
色や素材も大事ですが、こういった細かい収まりを丁寧につくることで、本当に魅力のあるデザインが生まれます。
線の1本1本まで、どのような印象になるか考えながらデザインを決めていく。そんな細部へのこだわりが、建築の質を高めるのではないかと思います。
家づくりを進める時、ぜひ「収まり」にも注目してみてください。